140905 初恋について

韓国では、初恋に当たる言葉は「初愛」と言い、意味が少し違う。
日本では初めて恋心を芽生えさせてくれた相手のことを言い、その恋が実らなくても初恋の相手という表現をする。

しかし韓国では、初愛であり、初めて愛した人のことを言う。つまり男なら初彼女、女なら初彼氏である。

俺は初恋は実際覚えていない。し、どれが初恋だったのか、恋心はあったのかと疑問に思えるところもあり、初恋というものは少々定義し難い部分があるのではないかと思う。

それに対して初愛はしっかり覚えているし、人を愛することはこういうことなのだろうと考えることができた。言葉の定義通り初彼女だったわけだが、「愛は盲目」という言葉があれだけ身に染みるほど実感できることも、自分の中ではなかなか無い。

というのも、今考えるとどうしてああいった相手を愛し得たものかと思うところが山ほどあるけれども、当時は疑いもなく愛していたし、その愛は永遠に続くものだと思っていた。

でもそうして愛した人と別れてから、自分の中で愛するということについて考えなおす機会を得、人を簡単に愛せなくなったと言っても過言ではない。

当時書いてた日記を発見した時は自分でもびっくりした。これだけ想い、これほど好きだったのかと。今思うとただただ恥ずかしいばかりであるが、うーむ、なんだろうな、何故あれを書いていたのかさえ覚えていない。

先ほども言ったのだが、あれ以来、人を愛してはいない。もちろん何度も恋はしているし、好きな人ができたり付き合ったりしていても、どこか自分のなかで「簡単に愛するな、自分が傷つくだけだ」と注意を促しているのかもしれない。

とは言っても、それが悪いとばかりは思っていない。そんなこんなんで結婚は30以降って決めたし、だから急な感情の勢いに乗って結婚まで考えることもない(偶然30以降ってのは父親の意見と被っていて驚いた)。もちろん人を愛せないのは悲しいことかもしれないが、今の自分にとって恋愛はそんなに重きを置いてないというか、自分の中で大した割合を占めているわけではないので、今のままでいいと思っている。結果、冷静な判断ができるし、人と人を秤にかけることも、理性的に人を選ぶこともできる。

こんなことを他人に言ったら、最低だとかクズだとか言われるかもしれないが、みんなもどこかで思うことはあるだろう。

まぁ、怖いのは30になっていざ結婚を考えたときに、もはや人を愛するということを忘れてしまって、結婚相手すらも愛せなかったらどうしようと思う節もあるが、まぁそれは今考えることではないだろうと、先延ばしにしている。

さて、話は変わり上下関係のことだが、こないだ久しぶりに部活に参加したとき、一人だけ目立って態度の悪い後輩がいた。俺が部活をもし続けていて、予定通り1年生教育をしていたなら、そんな後輩をそのままにしておくわけがない。それは自他ともに認める事実であるのだが、同期にどうして放置したのかと訊くと、今3年が誰もいなくて、今の4年の先輩方が卒業すると今の2年、1年しかいなくなるため、仲良くしておきたかったということであった。

しかし上下関係を疎かにすると苦労するのは上の人たちであるのは俺がよく知っている。
最悪の場合、自分たちは下にいた頃苦労して、上に立った時下が言うことを聞かなくなって結局自分たちが動かなければならないという事態が発生してしまう。
上下関係がすべてではないが、組織の生活では大きな割合で組織に影響するのは当然である。なぜなら組織は、(少なくとも部活動という組織の中では)上から下へと下る伝統や指揮命令系統が成り立っているからである(もちろんそれは軍隊も同じ)。

今回は上下関係について長く書くつもりはないが、一つ書いておきたいことは、

俺は軍隊の経験もあるし、実際に軍隊で後輩に厳しくしていた事実、そして今も後輩には厳しくしている事実のため、周りから上下関係に怖い、うるさい人になっているのだが、

数歩進んだら一度立ち止まって自分に聞いてみる。

「上下関係といえば自分と言われて満足してはいないか、天狗になってはいないか、それによって後輩に理不尽なことを押し付けてはいないか」

これは自分ではとても大切なことだと思っていて、自分が後輩なら先輩にそう言われて従えるかを基準に後輩に命令をする。だけど天狗になっていれば、調子に乗って(先輩たちとは既に仲がいいしもうあまり言われないからベクトルは自然と下へ下へと向かってしまう、ということもあり)度が過ぎた悪ふざけや、上下関係が完成した時に後輩が断れないのを利用した悪事を自分がしてはいないかを、ときどき考える必要があると考える。

これがどうして重要なのか。除隊してからふと昔のことが懐かしくなり思い出していると、「あぁ、あの時はひどいことをしたなぁ」と思うことがしばしばあるからである。
当時は振り返って自分の行動を見直すことを面倒がりしなかったので、結果厳しく、悪い先任兵士になってしまった部分があったと思われる。

だから今は同じことを繰り返さないためにも、ときどき立ち止まって、自分の行動を振り返ってみる、自分に問いかけてみることを欠かさない。

以上、初恋の話と上下関係の話でした。